2006年に日産で、厚木の山奥から世界中にリモートワークした話

私、2006年から8年まで日産自動車で、厚木という東京の山奥で、
”Stay 厚木” しながら、世界13カ国のスタッフと仕事をしていました。

これは、物金情報が世界中を飛び回っているのに、人だけがStay Homeしている、ポストコロナの仕事の先取りのようでした。

ここで、どんな仕事の仕方をしてたのか?ポストコロナの仕事や就活の参考になるのか?という話をしていきます。

山の中の秘密基地

日産には、本厚木と愛甲石田というところにIT関係のオフィスがあって、私はこの両方に机をもっていました。

世の中のほとんどの人には聞き慣れない地名だと思いますが、ここです。

ギリ、東京首都圏地図に入っている場所。
ちなみに、コンクリートジャングル東京が夏、照り返しで熱くなる現象をヒートアイランド現象と呼びますが、東京都心のヒートアイランド現象は厚木で終わります。

秘密基地で、世界13カ国のスタッフとリモートワーク

さて、私がやっていた仕事は「世界中の重要部品の在庫を一発でわかるようにするシステムを作る」
日産は、当時、日本、アメリカ、欧州、その他の4つの大きなシステムで世界中の工場を管理していました。だから、日本では北米や中南米の工場にどの部品がいくつあるかわからなかったのです。

普段はそれでも問題ないのですが、重要な部品が足りなくなり「やべえ!この部品が足りなくなると、工場止まる!工場止まると1日○億円の損失!」みたいになったときに、電話で世界中の工場の在庫を確認し、○千万円かけて飛行機で輸送とかをしていたのです。

これを避けるために、早めに在庫が足りなくなることを検知し、他の国の工場から運ぶ仕組みを作っていたわけです。

で、この仕組みを作ることの大変さは、世界中の工場の人たちに、どのシステムのどこにデータが入っているかを確認し、いつ更新されるか、誰が更新するか、修正はどう行われるかなどをチェックして設計図を書かなきゃいけないことでした。

本来、工場に行って、現場を見ながらやるのがやりやすいのですが、そんな予算はありません。

つまり、本来は、人が海外に行き、物金情報をコントロールしたかったのですが、予算の関係で、人が厚木の工場にロックされ、厚木から物金情報をコントロールしていたわけです。

予算と時間が無限にあればやりたかったのが、人物金情報が自由に世界を飛び回っていた、Beforeコロナの世界の仕事。

しかし、予算と時間の関係で、物金情報が自由に動くのに、人だけが動きに制限ができてしまったため、Postコロナの世界と同じ働き方をしなくてはならなかったのです。

私が担当してたのは、中国、タイから、スペイン、メキシコ、南アフリカまで、バラエティに富んだ13カ国。
仕事は全て英語です。

当時はZOOMとかもないので、会議は全てテレビ電話会議です。(1分200円くらいかかる!)
画質もよくないので、話できる内容にも制限があります。

ポストコロナのリモートワークでやるべきコト

こんな中で仕事をするのに重要な事は、できる限りこちらで聞きたいことの完成形を作り、それをメールで送りつけ、「間違っているところがあったら次の会議で指摘してくれ。指摘がなければこのままいく」という方法でした。

密なコミュニケーションと無限の時間があれば、二人で一緒に真っ白なキャンパスに絵を描いていくなんてことも可能です。

しかし、こっちは、時間もなければ、お互い英語も下手、しかもテレビ電話ということで、そんなことはできないのです。

だから、勝手に完成図を作っちゃう。
そして、共同作業はその完成図を修正することに集中すると上手く行くのです。

ポストコロナのリモート就活でやるべきこと 

実は、就活も同じところがあります。
日本の新卒就活は「あなたを色に例えると何ですか?」みたいな意味不明な質問が来るという話をしましたが、これは、二人で真っ白なキャンパスにお絵かきの始まりなわけです。

で、ほとんどの学生は、短い面接時間に絵を描ききれなくて落ちます。

だから、就活生がやるべきことは、
私は○○ができます。
だから、あなたの会社でこんな仕事をさせて下さい。
過去に、こんな経験があるから、きっと役に立てるはずです。

を明確にして、ESに書いておくことです。

面接官は事前にそれを読んで「うちの会社の『こんな仕事』ちょっと違うんだけど、修正してみるか」とか「この経験本当かどうか、掘り下げて聞いてみるか」など、事前に話すべきポイントが明確にすることができます。

そして、短時間で、就活生のことをより深く探ることができるようになるのです。

事前に想定で、完成予想図を作る → ミーティングで答え合わせ・修正をする
という仕事のやり方は、面接でもリアルな仕事でも役に立つので、ぜひ身につけて下さい。

参考記事

こういう就活攻略法から、ポストコロナでどんな業界が採用を止め、どんな業界が採用が増えるのかを分析した日本全171業界分析をLINEとFBで無料連載中です。
就活生、大学生の人は、ぜひ読んでみてください。