EMSとは、電子機器の受託製造サービス。
簡単に言うと、工場を持っていないAppleの代わりにiPhoneを作ってあげるような会社です。

今、世界で最も多くのiPhoneを作っているのが、このEMSという職種の最大手、台湾のホンハイです。
台湾で仕事を受け、主に中国の工場で生産をしているわけですが、Appleだけではなく、ソニーや出デル、任天堂やHPやHUAWEIなど、世界中のメーカーの製品を作っています。

面白いのが、このホンハイが、潰れたシャープや東芝のPC部門dynabookを買収しているところです。
人のものを作るだけの会社が、潰れたメーカーを買収して、自社製品としているわけです。

このように、メーカーと工場が別の会社であることはめずらしくありません。
30年前から、ソニーとAIWA(安物のAV機器メーカー)が同じ工場でつくってたり、アルマーニとユニクロがカンボジアの同じ工場で作ってたりしますし、清涼飲料水はすべてボトラーという製造専門の会社が作っています。

EMSメーカーの上位三社はいずれも台湾の会社。
台湾の会社で受けて、中国の工場で作るというのが、ひとつの定石になっているわけです。
これは、米中貿易戦争で、アメリカと中国の取引が減ると被害を喰らう形なので、これからどうなるかは注視する必要があります。

EMS業界の世界シェアで日本企業が上位になることはなさそうですが、日本国内にもこういうEMS的な会社はあるので、製造業に興味のある人は狙い目かもしれません。

あと、日本の大手メーカー勤務だと、こういうEMSメーカーとの取引が重要になるので、海外の人とのビジネス経験が活かせるはずです。