お金を稼ぐってなんだろう? #はたらくってなんだろう 第一章

はたらくって、なんだろう?
これをちゃんと説明しようと思ったのは、こんな意見を聞いたからです。

お金を稼ぐのがイヤなので、NGOとかで、はたらきたいです。

そんなに、お金を稼ぐのって、イヤ?

お金を稼ぐって、人を喜ばせることなんです。
これを、くわしくお話しますね。(文章で読みたい人は、動画を無視してスクロールして下さい)

つづきの動画を見たい人は、こちら

お金を稼ぐのは悪いことなの?

お金をたくさん稼いでる人って、悪いことして、搾取してそうじゃないですか?

たしかに、そう思う気持ちもわかる。
なにもしなくてもお金が入ってくる人や、悪いことをしてお金を稼いでいる人のニュースは世の中にあふれています。

そして、このように考えてるのは彼女だけではありません。
「社会貢献」や「地球環境」みたいな【よきこと】をしているかを基準に会社を選んでいる人が増えています。

「社会貢献したい」就活生 今どきの会社の選び方は?

でも、お金をかせぐってのも、実は、社会貢献と同様に、【よきこと】なんですよ

はたらく = お客さんを喜ばせること

むかしむかし、大正時代に、蝶々の着物をきたきれいな女性が道を歩いていました。

しかし、彼女が行きたい道には大きな岩が。彼女の力ではどかすことができません。(彼女は鬼の首も切れないほど非力です)

そこに、隊長220cm 体重130kgの大男が通りかかりました。
見た目からして、岩とか動かすのが得意そうです。

やっぱり大男はやさしい人で、岩を軽々とどけてれました。
女性は、感謝の気持ちを伝えるために、お返しをすることにしました。

お返しの3パターン

パターン1 物々交換
女性は、毒をたくさん持っています。
そこで、大男に毒を致死量の10倍くらいプレゼントすることにしました。

これから鬼と戦う予定の大男は大喜び。
こうやって、サービスに対してモノでお返しするのが、物々交換です。

パターン2 お金
しかし、人生において、毒が必要になることは普通はほとんどありません。
ほとんどの人にとっては、毒なんて迷惑以外の何物でもない。
だから、かわりにお金を支払うことにしました。

お金は、いつでも好きなものに交換できるし、かさばらないし、腐らないので非常に便利。
こうやって、相手を喜ばせた証明として、そして、将来誰かに喜ばせてもらう権利書として、お金という紙が渡されるのです。

パターン3 ボランティア
お礼として渡すものがないときは、感謝の気持ちを伝えるしかありません。
大男はいい人なので「お礼なんて要らない」とさわやかに答えます。

それをみていた周りの人は、大男を尊敬し、大男が困っていたら助けてあげようと心に誓います。
こうやって、モノは返さないけど、気持ちを返すことがボランディアです。
ボランティアのメリットは、相手や周りの人の信頼が溜まる(=いい人だと思われる)ことですね。

こんな風に、お金をもらうビジネスも、気持ち=信頼をもらうボランティアも根本は変わりません。
相手を喜ばせて、対価をもらう。
だから、みなさんには、相手を喜ばせるということをしてもらいたいのです。

お金をもらうメリット、ボランティアのデメリット

ボランティアは、原則すばらしいものです。
特に、モノやお金で返すことができない貧困国の人や、被災した人にとって、ボランティアは絶対に必要なモノです。

しかし、ボランティアに問題点もあります。
相手にとって、ありがた迷惑なことを続けてしまう場合があるということです。

我々は、カンボジアでカレー屋をやっているのですが、実は、カンボジア人は、カレーが嫌いです。(匂いがイヤだそうで、納豆嫌いの人が納豆を食わされるときのリアクションをします)

でも、このカレーを試食で無料で食べてもらうと、イヤそうな顔をしながら「美味しい」って言ってくれます。顔には不味いって書いてあるけど。

そして、その言葉を信じてカレーを売ろうとすると、お客さんは全く来ません。

つまり、無料だと「ただでくれたモノに、不味いと言ったら悪い」とお世辞をいってくれるのですが、有料だと「不味いモノは買わない」とホンネがでてくるのです。

これと同様のことが、ボランティアでもおこります。

孤児院で、無料でカレーを振る舞ったら、みんな「美味しい」と言ってくれます。
しかし、心の中では不味いと言っています。
でも、日本人は「美味しい」を信じて、来年もカレーを持ってきます。

こうやって、孤児院の子たちは毎年不味いカレーを食べることになり、日本人は一生懸命やってるのに本当には喜ばれてないという辛いことになってしまうのです。

このように、お金という、報酬がないと、ホンネが伝わらず、不幸なことが起こってしまうのです。


そして、社会人がやるべきことは「お金を払ってでもお客さんが受けたいと思う、本当に喜んでもらえるサービス」を提供することなのです。

お金は、お客さんを喜ばせた証明書。
その証明書をもらえるくらい、お客さんを喜ばせることができる人になることが、社会人としての大切な役割なのです。

みんな、がんばろう!

では、そんな人材になるためになにをするべきなのか?

はたらくってなんだろう? 第二章 「学ぶって何だろう」に続きます。