就活をするにあたって「業界」と「職種」で適職を見つけるのが鉄則です。

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特に、withコロナの2020年以降は、「航空業界や旅行業界が全部採用を停止する」といったような、業界がまるごと消えてなくなるということが起こっています。

なので「会社」や「業界」だけを考えて就活すると、いざはじめてみたら募集している会社が一個もなかったなんてことになるかもしれません。

だから、「職種」を考えて就活を行う事がすごく大切になります。
しかし、日本の大卒就活は、職種を考える事がすくないです。なぜでしょう?

そもそも、職種ってなんだろう?

職種とは、企業の中で社員がやる仕事の分類です。

個人のお客さんに自社製品を買ってもらう「個人営業」
他の会社に自社製品を買ってもらう「法人営業」
ソフトウェアを作る「ITエンジニア」
自社の製品の宣伝を行う「マーケティング」
製品の開発を行う「研究職」
工場の管理などを行う「生産管理」

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その他、人事や経理、秘書やCA、コンサルタントや顧客サポートなど、世の中にはたくさんの「職種」があります。

この職種は会社独自のものではなく、他の会社にも同じような「職種」があれば、仕事はほぼ一緒です。

例えば、人事の仕事であれば、自動車会社の人事でも、IT企業の人事でも、広告代理店の人事でも仕事に大きな違いがありません。

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つまり、自動車会社で人事の経験があれば、IT企業にも広告代理店にも転職ができるわけです。

このように、自分がどの「職種」の経験を積むのかは、今後のキャリアに大きな影響があり、就職前にどの「職種」を選ぶかが重要です。


会社によって、存在する「職種」は違います

ただし、全ての会社に全ての職種があるわけではありません。
「人事」や「経理」といった仕事はどの会社にもありますが、個人営業や研究職がない会社はたくさんあります。

例えば、旅行会社。
店頭でお客さんに販売する個人営業や、学校や企業に団体旅行を販売する法人営業はありますが、研究職はありません。旅行会社で科学的研究をする必要がないからです。
また、お客さん向けのWebページや社内管理システムを作るためにIT部門がある会社もありますが、ほとんどはIT企業に作ってもらうため人数は多くありません。

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それに対して、IT企業。
多くのIT企業は個人向けではなく、会社が使うITシステムを作ったり売ったりします。なので、ほとんどのIT企業には個人営業はなく、法人営業だけです。
そして、お客さんのシステムを作るために、ITエンジニアは大量にいます。

研究職に関しては、自社で製品を作っているIT企業はたくさんいますが、海外で作った製品を日本で売る外資系のIT企業にはあまりいなかったりもします。

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つまり、IT企業で法人営業や技術者の経験を積んだら、後に旅行会社に転職できる可能性はありますが、研究職だとその可能性はものすごく低くなるということです。

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こんな感じで、企業によって、採用される職種、人数が少ない職種、採用されない職種があり、経験した「職種」によって、転職できる業界に差異がでてくるのです。


似たような会社でも、違いがある

同じ自動車関連の会社でも、自動車の完成車メーカー(トヨタとか)と自動車部品メーカー(デンソーとか)では大きな違いがあります。

自動車の完成車メーカーって個人にモノを売ることはありません。販売をするのは自動車ディーラー(トヨタネッツ青森店とか)で別会社です。会社に社用車を販売する法人営業は少しあります。

社内システムを作るIT技術者はそれなりにいて、車の宣伝をするマーケティングや新車を開発する研究職、工場の管理をする生産管理は大量にいます。

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これに対し、自動車部品会社は、個人営業はなく、取引先(トヨタとか)に部品を買ってもらうための法人営業はたくさんいます。お客さんが特定の会社になる法人営業なので、完成車とはちょっと毛色が違います。
IT技術者や研究職、生産管理の人はたくさんいますが、マーケティングはほぼいません。

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つまり、自動車の完成品メーカーに行けなかったから、部品会社に行って、将来自動車会社に転職しようと思っている人は、IT技術者や研究職、生産管理の職種を狙うのがいいということです。

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こうやって、会社でどんな職種の仕事があるかをきちんと調べれば、自分のキャリアを設計できるようになるのです。


本来は「業界」より「職種」?

日本の就活生は「この会社に行きたい!」というのが最初にあり、その後「じゃあ、この業界を調べてみるか」となり、「職種」のことはあまり考えません。

でも本来は「自分がこの仕事が得意」→「ならこの仕事ができる」→「じゃあこの職種」→「その職種が必要とされているのはこの企業」という順番で考えた方がスムーズです。

テレビで観て「なんとなくいいなー」と思った会社にあこがれ、その会社と同じ業界を受けて「何でもやるから入社させてください!」と言うと、就活100社落ちするかブラック企業だけしか内定をとれないということになります。

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それに対し、学生時代にバイトやインターンでいろんな仕事を体験し、「この仕事が自分に向いてる」というのを見つけて、その職種が活躍できる会社を探すと、就活成功率は一気に上がります。

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自分が行くべき会社を、会社のブランドではなく、自分ができる事から考えるのです。

これをやると、志望動機が「自分はこれが出来るから、あなたの会社の役に立てます」と言えるので、面接も通りやすくなります。(現実は、ほとんどの就活生が「あなたの会社が好きです」とだけ言って、落とされます

ではなぜ、日本の就活生は「職種」を考えないのでしょうか?
それは、多くの日本企業が「職種」を選べなかったからです。


「職種ガチャ」の罪

日本の大企業は募集をするとき「総合職」というわけのわからない「職種」を募集します。
そして、入ってきた新卒をまとめて研修して、人事部が適性を見極めて(≒適当に)いろんな職種に振り分けます。

いわゆる「職種ガチャ」です。

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就活生からしてみたら、広告を作りたくて広告代理店に入ったのに、営業やらされたり、ものづくりをしたくて自動車会社入ったのにマーケティングやらされたり、非常につらいことになります。

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でも、会社からしてみると、広告代理店志望者のほとんどは広告を作りたいって言ってくるけど、広告を作る人なんてそんなにたくさん要らないんです。
たくさんの人数が欲しいのは営業なので、この「職種ガチャ」は企業にとって、非常に有利なのです。

でも、会社に入ってからどんな仕事をするかわからないのに「職種」なんて考えませんよね。もっというと、どんな仕事に就くかわからないのに、その仕事に役に立つ勉強なんてできませんよね。

大学で、工場の管理の仕方を学んだのに、マーケティング部門に配属されたりしたら、やる気なくしますよね。

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こうやって会社にとっては便利な仕組みが、学生のやる気を削いでいるのです。
だから日本の大学生は、会社の役に立つことを勉強しないんだよ!


時代は変わりつつある

とはいえ、時代は変わりつつあります。
経団連の中西会長は、職種をわけて必要なスキルを持っている就活生を採用する「ジョブ型雇用」を提案しています。

日立、富士通、資生堂…大企業ジョブ型導入で崩壊する新卒一括採用

新興の大手企業はすでに、職種を明確にしている企業が多くあります。
また、職種を明確にしていなくても

「私は御社でこの「職種」の仕事に就きたいと思っており、学生時代にこんなことを学びました」

と面接で話せば、面接で通る確率も高いですし、社内でこのことをアピールすれば、希望した職種に就ける可能性も高いです。

時代が変化していて、多くの学生がまだ「職種」なんて考えていないときに、自分だけ「職種」を踏まえて学んでいれば、就活の合格率的にも、入社してからの希望した部門への配属率的にも、ものすごく有利なのです。

なので、これから就活が厳しくなる中、自分がどんな「職種」につくべきかは非常に重要です。


職種の選び方

自分に合っている職種を選ぶ方法は、たくさんのバイトやインターンに参加するのがベストです。
とにかくいろんな仕事を経験してみて、自分が得意なこと、楽しいと思うものを見つけるのです。

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得意なスポーツを探すのと同じで、みているだけでは何もわかりません。やってみないとだめなんです。

時間がある人は、日雇いのバイトとかをたくさんの種類やることをおすすめします。ある程度この仕事がいいかなというのが定まったら、企業がやっている長期のインターンに参加しましょう(1-3日のインターンはただの会社説明会なので無意味です)

時間がない人は、インターン型の研修プログラムに参加するといいです。
短期的に、いろんな職種を体験できます。

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そうやって、自分に向いていそうな「職種」を探して、その「職種」に必要なスキルを身につけて、その「職種」が重宝される会社を選ぶ。
この流れでやっていけば、就活はうまく行くんです。

でも何から始めていいかわからない…という人は、気軽に受けられる職種診断テストを作ったので、よかったら受けてみてください。

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